令和7年度 きさらづDMO 必須KPI報告 ~持続可能な観光振興に向けた成果と展望~
きさらづDMOの概要
きさらづDMO(Destination Management Organization)は、千葉県木更津市を拠点とする観光地域づくり法人として、2019年に設立され2022年に登録DMOとして観光庁より認定を受けました。東京湾アクアラインの玄関口に位置する木更津の豊かな自然や歴史文化、アクティビティを活かし、「オーガニックシティ」を身近に楽しめる体験として提供しながら観光地域づくりを進めています。
必須KPI報告の意義
観光庁が定める登録制度のガイドラインに基づき、旅行消費額、延べ宿泊者数、来訪者満足度、リピーター率の4項目が必須KPI(Key Performance Indicators)として定められています(令和2年4月施行のガイドライン(令和7年改正前))。これらの指標を定期的に公開・分析することで、活動の成果を客観的に評価し、PDCAサイクルを回す基盤を築きます。必須KPIを公開する意義は多岐にわたり、①ステークホルダー(行政・事業者・住民)への透明性確保、②データに基づく戦略改善(例: 満足度の低いエリアの強化)、③地域経済への貢献度可視化、④持続可能な観光の推進が挙げられます。
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令和6年度(2024年4月~2025年3月)必須KPI実績報告
令和6年度の必須KPIの目標値および達成率、前年度比の変動は以下の通りとなりました。
- 旅行消費額:467.8億円(目標: 425億円、達成率110%)
前年度比 +32%。前年度に続き一人あたり旅行消費額が向上しました。特に「宿泊代」や「物品購入代」の消費額が高く、大型商業施設でのショッピングが多数を占めていると推察されます。 - 延べ宿泊者数:70.1万人泊(目標: 65万人泊、達成率108%)
前年度比 +12%。特に7、8、3月の宿泊者数が多いことから子連れでの宿泊が想定されます。 - 来訪者満足度:75.3%(目標: 75%、達成率100.4%)
来訪者へのアンケートによる総合評価(7段階評価)。特に「グルメ・食」への満足度が高く、総合満足度の影響も大きい項目となっています。その他の調査項目からも来訪者はグルメへの関心が非常に高いことが明らかとなりました。 - リピーター率:90.5%(目標: 90%、達成率100.5%)
前年度比 +6%。初回来訪者に比べ、リピーターは消費利用率や満足度が高い結果となりました。グリーンツーリズムやインフラ観光などにも関心が高く、リピーターは今後のツーリズム造成における対象選定のひとつの指標となり得ることが推察されます。
※令和6年度来訪者へのアンケート(n=400件)、宿泊施設データ、入込客数を基に算出しています。
今後の展望
令和6年度についてはいずれも目標数値達成となりました。インバウンド需要が増加するなか、オーバーツーリズムへの懸念もありますので、令和7年度は目標数値を大きく引き上げず慎重に着地整備を進めていきます。また、体験プログラム(オーガニックツーリズム)の推進にあたり、ガイド人数や参加人数の数値も新たに追加しました。これからも皆様のご支援のもと、オーガニックシティを軸とした観光地域づくりを推進してまいります。
記事公開日:2025.10.23 thu

